2007年 08月 20日
エポキシ塗料の長所・短所 |
さてさて、これまで散々褒めまくってきたエポキシ塗装ですが
物事の常で、良い点ばかりではありません。
今回はわたしなりにエポキシ塗装の長所・短所を考えてみたいと思います。
ま、素人なりにです。
塗膜の硬さ
非常に硬い。
そのため、タイヤマークがつきにくい。
汚れ全般に強い。
そりゃそうでしょ。
とっても磨耗に強いそうです。
工場などの塗装された床を見ると、徐々に削れてコンクリが見えてきてたりします。
こういう状況になりにくい、ということでしょうか。
個人のガレージで、ここまでのものが必要かどうかは別ですが。。。
一方硬すぎるのも問題で
重いものを落とすと割れることがあるそうです。
エンジンやミッションを扱う時に注意が要りそうです。
ウレタンなら、ある程度の柔軟性があるため塗膜が割れることはないのですが
タイヤマークは付き易いそうです。
せっかく大金叩いて塗装したのに、タイヤマークで汚れてしまうのは嫌かも。
(屋内なら、艶ありクリヤーのトップコートをプラスすれば解消可能。)
想定外だったのが、砂や石コロで傷が付くことが多いのだそうです。
そのため、自慢のツヤも時間の経過とともに納まってしまうんですって。
ん~。
ガレージを土足禁止にするか?(爆)
そのガレージがどんなメンテナンス主体なのかとか
出入りを頻繁にするガレージかどうかなどが選択のポイントかもしれませんね。
わたしは足グルマは別に持ってますし
バイクはイジッてばかりで頻繁には乗らないので
エポキシにメリットありと思いました。
耐溶剤性
とっても強い。
通常行われる塗装ではエポキシが最強では?
メンテ系のガレージは攻撃性の強いブツが多いですからね。
ブレーキフルード、パーツクリーナー、クーラント。。。
床の塗装を気にせず作業できるってことは大きなポイントです。
当初、マイガレージには水性アクリルで塗りましたが
これは自分で補修しながら使っていくという前提でした。
メンテ系ガレージなら、これは大アリだと思います。
一方、個人のガレージをエポキシで塗れば、ほぼ一生物かなと思ってます。
塗り直しが要らないのは楽です。
ウレタンも溶剤には強いですが、エポキシほどではないのかな。
どうなんでしょ。
密着性
非常に高い
これはガレージ床の塗装にはメリット大です。
せっかく塗装しても、剥がれてしまっては意味がありません。
マイガレージでは一部ウレタン塗装にした部分があるのですが
それでも下地作りまではエポキシ樹脂を使っていました。
それゆえの欠点もあります。
あまりに下地への密着性が高いため、塗装後に下地のコンクリートにクラックが
発生した場合、その割れに追従してしまい塗装も割れてしまうそうです。
(塗膜の硬さも影響あり。)
エポキシ塗装をする前には通常以上に養生期間をとれば解決できるのかも?
コンクリートにクラックが起きるのは当然ですので、初期に起きるクラックが
出切ってから塗装すれば・・・。
一方ウレタンならある程度の柔軟性があるので、ヘアクラック程度なら
塗装表面に表れないそうです。
塗膜が割れてしまうとはいっても
密着性が高いので、たとえ割れても剥がれることはないようですので
わたしは、この点は納得してます。
硬化速度
メッチャ速い。
ガレージオーナーには関係ないことでは?と思われるかもしれませんが
そんなことはないです。
業者の作業がすぐに終わります。
あっという間です。
(下地作りを含めると、それなりに時間はかかります。)
塗って数時間後には上を歩けます。
何の怪しさもないです。
胸を張って歩けます。(笑)
マイガレージでは樹脂モルタルも施工しましたし
自分で塗った水性塗料の硬化不良に悩まされたということもあって
念のため一週間は養生しましたが
エポキシの塗装だけでしたらそこまでは必要ないでしょう。
樹脂モルタルと塗装のトータルでの厚さが最低でも6mmはあるはずなので
わたしとしては安心材料としての一週間なのですが
塗装業者の話では、樹脂モルタルを施工しても、通常は3日おけば
フォークリフトも走れるとのことです。
工場の床にエポキシが適している最大の理由がここかもしれませんね。
すぐに使える。
床の塗装が乾くのを待つために工場の操業を止めてたのでは損失ですから。
さて一方で
どこをどう調べても、エポキシでのDIYはかなり困難なようです。
硬化速度があまりに速すぎて、塗料の扱いに慣れていない素人には扱えなさそうです。
少量ずつ塗料を混合していけば不可能ではないでしょうが
ムラになるでしょう。
また、マイガレージのような厚膜は絶対無理です。
これはハッキリ言えます。
厚膜はコテで塗ります。
あのコテさばきは素人には不可能だと思います。
モルタルの施工とは、またちょっと違います。
匂い
これは長所です。
一般的にエポキシは「臭いが強烈」ってことになっていると思っていたのですが
最近は違うんだそうです。
マイガレージに使った塗料は、甘~い 良い匂いでした。
自分で天井に塗った水性塗料の方がよっぽど臭いがヒドかった!
虫も好む匂いってことが欠点かもしれません。
でも、うちの場合は一匹で済みましたので
心配するほどではないのかもしれません。
価格
プロにしかできない作業ということで、かなり心配しましたが
案外そうでもありませんでした。
マイガレージの場合で約7,000円/㎡
単純に数字だけを見ると高いように思えますが
これには硬化不良を起こした水性塗装の剥離と樹脂モルタル施工が含まれています。
しかもエポキシは厚膜です。
塗料の量だけ考えても、通常の倍以上使っています。
その仕上がりを見ると、むしろ『安かったな』と思います。
厚膜でない通常のエポキシ塗装で、下地が健全ならいくらだったのかな。
おそらく半額ぐらいにはなると思います。
夏場で硬化も速いですし、作業もギリギリ一日で終わったかも。
一般的にはエポキシはウレタンより高いらしいです。
続きまして今回のメインテーマ!
単純に欠点(相殺する長所もない)
紫外線に弱い!
いやいや。
これは盲点でした。
知ってましたよ。
エポキシは日焼けするって。
でも、目に見えて分かるほどとは。。。

分かりますか?
画像はガレージ入り口の部分。
向かって左寄りの、斜めに横切っているグレーの部分が水切りです。
その右手が犬走りとでも言うようなところ
(ザラついた感じなのは樹脂モルタルが透けているため)
左手の白い部分が塗装済みのガレージ床です。
犬走りの大部分が黄色いでしょ?
最初は水切りの真横のところと同様に、透明or白っぽい感じだったんです。
業者の段取り間違えのため
樹脂モルタル施工後、クリアーのエポキシ樹脂で目止めをした状態で
2日置いておいたら、こうなってしまいました。
(現在は2液性ウレタン塗装済みです。)
たった2日ですよ!
黄変していないところは、オーバースライダーの内側になる部分です。
直射日光に当たらなかったんですね。
これが更にひどくなると 『チョーキング』といって白く粉を吹いた状態になります。
実際の床塗装には色が付いているため
ここまであからさまに、また、あっという間に変色してしまうことはないそうですが
怖いですね。。。
南側の窓を小さくして、しかも念のためLow-eにしといて正解でした。
まさか床の塗装保護に役立つとは。。。
Low-eにしてない窓もあるので、紫外線カットフィルムを貼ることにします。
美白の時代なんですね。。。
はっ。
蛍光灯。。。
たしか紫外線が出てるとか。。。
んー。。。
無視!
次は厚膜塗装について
読んで字の如く「塗膜の厚い塗装方法」です。
エポキシ、ウレタンともに可能です。
反応硬化型の塗料なら、可能ということでしょうか。
塗装に使う道具は「コテ」です。
床にドロ~リと撒けた塗料をコテで均して塗装します。
塗装というより、左官仕事のようです。
とにかく艶がすごい。
すごいツヤです。
とにかく平滑性が高い。
塗料の流動性だよりに、表面を平滑に塗装することができるためです。
独特のツヤは、この平滑性によって得られます。
残念なのが、ほぼ流れるに任せる感じで塗っていくために
案外精度が低いこと。
塗料の可使時間が短いことも影響していると思います。
どういうことかと申しますと、マスキングがうまくできないのです。
日焼けの説明をした画像をご覧ください。
水切り使ったにSUSのアングル材と塗装との境がピシッと
していないのが分かるかと思います。
きっちりマスキングしてたんですよ。
でも、マスキングテープを剥がした瞬間に
ドロリ。。。
厚膜ゆえの塗料の重み、流動性によって流れてしまんですよ。
若干。
ただ、これは凹みに流れ込むということですので
平滑性を得るためにはやむを得ないものかもしれません。
マスキングがうまくできないという点では、もう一点難点が。
壁際が綺麗になりません。
塗装後に壁塗装の補修が必要だと思います。
また、いかに塗膜が厚いといっても1mm程度ですので
下地に突起がある場合には、そこだけ塗膜が薄くなって透けてしまいます。
マイガレージでも、数箇所あります。
近づいて見ないと分からない程度です。
樹脂モルタル施工後のサンディングが甘かったんでしょうね。
それと、ガレージ角など入り隅は塗装がちゃんと回り込んでない部分があります。
こんな感じですので、大きく傾斜のある場所では使えないでしょうね。
汚れが付かない。拭き取れる。
表面の平滑性が高いからこそですね。
こないだも、塗装面に誤ってコーキングをこぼしてしまいましたが
ウエスで跡形も無く拭き取ることができました。
素晴らしい!!
滑る
滑ります。
靴下を履いて歩くと、『スーっ』てできます。
雨で塗れたタイヤだとブレーキが効かないそうです。
エポキシの厚膜に限ったことなのか、ウレタンでもそうなのかは不明です。
とにかく、ガレージにエポキシ厚膜を塗装する場合は対策が必要かも。
マイガレージの場合。。。。。
ま、そのうち考えます。
ちなみに『ノンスリップ』という解決手段はあります。
塗料に骨材を混ぜるそうです。(or塗装後に骨材を振りかける)
骨材とは、砂粒のような物です。
塗装サンプルを見せてもらいましたが、ちょっと情緒に欠けるルックスです。
あの凹凸は。。。
厚膜自慢のツヤも損なわれてしまいます。
峠道のカーブなんかに凸凹が作ってあるじゃないですか。
あんな感じです。
実際、施工方法は異なるそうですが、あの凸凹もエポキシ塗装なんだそうです。
骨材の粒子の細かさをうまく選べば良いんでしょうが
丁度良い加減が難しいかもしれません。
丈夫で滑らない床塗装は、ある種の工場の床には向いているのでしょうが
ビルトインガレージの床面にはどうなんでしょう?
ノンスリップをガレージに施工する際は、クルマのタイヤが通るライン+αだけに
限定するなどすればアクセントになって良いかも!
いつもどおりグダグダと書いてきましたが、そろそろまとめに。。。
優れた長所が反面で短所になってしまうという点は驚きですね。
当たり前と言ってしまえば、そうなんですが。
つまり、完璧な塗装って無いってことかも知れません。
まず用途や狙いをハッキリさせた上でチョイスする必要がありそうです。
マイガレージの場合は
①主にメンテナンス中心です。
中に入れたクルマやバイクは頻繁には出し入れしないつもりです。
イジリ部屋ってとこですね。
②いつもスッキリさせたい
『ビルトインガレージだから』 『居室側からガレージ内が見えるから』
だからこそ綺麗に見えるよう、殊更に配慮は必要だと思います。
ガレージはオーナーの城であり、自分の部屋でありますが
家族から見れば邪魔なだけの存在かもしれませんから。
家族から見た目で、不快な要素は排除するべきだと思います。
住居と別棟のガレージなら、今回のようには床塗装にこだわらなかったと思います。
③もう塗装はしたくない!
そのまんまの理由です。
ペンキ塗りは大嫌いです。
の3つの狙いが大きいですね。
はてさて、エポキシ厚膜塗装。
どんな風に我が家の景色に馴染んで行きますやら。。。。。
by shalogarage
| 2007-08-20 11:54
| ガレージハウス